国際脳ヒト脳MRIプロジェクトについて
本プロジェクトは、うつ病や認知症など精神神経疾患の解明のために、MRIデータの取得から解析まで標準化した技術を開発し、広く研究者がデータを利用できるよう公開する世界初の多施設共同研究プロジェクトです。これまで精神神経疾患による脳の変化をMRI画像により診断する試みは多くありますが、MRI装置や計測方法の違いを考慮した標準的・一般的な診断法は未だ確立されていません。
そのため本プロジェクトでは様々なMRI装置(異なるメーカー、機種)で得られたデータを適合させるためのMRI撮像プロトコル(
HARP)を開発しました。この
HARPは、高性能MRI機器を対象とした米国のHCPや英国UKバイオバンクなどの大規模研究をもとに開発され、T1/T2強調/拡散テンソル画像から定量的磁化率マッピングや動脈スピンラベリング、安静時/課題中の脳機能など様々な機能や手法に対応して脳を観察できるものです。 私たちはこの研究により精神神経疾患の疾患共通・特異因子を見出し、精神神経疾患の治療開発や診断バイオマーカーとしての応用を期待しています。
本研究の推進のために、私たちは以下の技術開発を進めています。
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多施設データ取得の標準化
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多施設データ取得後の保管共有手法
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データの一括前処理パイプラインの策定、技術共有
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画像解析、統計処理の開発、技術共有
データの取得方法、解析法については
書庫よりご参照いただけます。
参画機関の募集について
尚、本プロジェクトでは、このHARPを用いて多施設で同一被験者のMRI脳画像および関連した臨床情報を取得(
国際脳MRIハーモナイゼーション法)、解析・共有し、共同研究に活用いただくためのプラットフォームを構築しています(参考:
プロジェクト体制図)。
具体的にはMRI画像の撮像や臨床データの取得とデータ解析により精神・神経疾患の発症メカニズムの解明を行うグループ(上記
体制図:研究グループ1-1)と、MRI脳画像や臨床指標データのプラットフォーム構築・運用を行うグループ(
体制図:研究グループ1-2)にて実施しています。しかし私どもでは国内外でのヒト脳MRI研究のさらなる発展のためには、東アジア人を中心とした多くのデータの取得を行い、解析データをオープンにして研究者に広く共有できることが必要と考えています。そのため本プロジェクトへの参画機関を随時募集しておりますので、趣旨にご賛同いただける機関のご担当者の方は、下記リンクより要件をご確認の上、お問い合わせください。
研究機関の参画要件について