データ収集の概要


国際脳プロジェクトでは被験者の特性を考慮した解析を実施するために、脳画像データのほか被験者の様々な収集を取得しています。詳細は以下のとおりです。

●MRI脳画像データ
MRI撮像方法は、MRI装置の違いに依存した変化を最小限にするために調和をとった撮像方法HARP(HARmonized Protocol)が使用されています。HARPには約12分間の脳構造画像(T1強調画像、T2強調画像)、10分間の機能的MRI画像およびスピンエコー型静磁場画像の3つを最小限のセットとしています。高精度化のために、さらに20分間の機能的MRI画像、3分間の3D動脈スピンラベリング画像法(Prisma、Skyra, Verioのみ)、5分間の定量的磁場不均一性画像(Prisma, Skyraのみ)、4分間の2種類の課題遂行時fMRI画像(EMOTION, CARIT)を含みます。またトラベリングサブジェクト参加被験者においては、過去の「脳プロ」との調和のため脳プロ - プロトコル(SRPB)での撮影や、米国「HCP」との調和のためのHCP-CRHDプロトコルでの撮像も行われています。


●被験者属性・臨床指標・自覚評価
データを取得する施設にて、被験者の基本特性や属性(性別、年齢、利き手、就学・就労状況等)や臨床指標(診断名、重症度、認知機能等)および自覚的な評価(QoL、ウェルビーイング等)を取得する計画です。標準取得指標は国際脳プロジェクトの各グループ内で定められ、グループ間でもある程度統一しており、グループを超えた解析に役立てられます。


参画機関
現在、国内13の研究グループが本プロジェクトにて定められた計測・共有基準により、臨床データおよびトラベリングサブジェクトのデータを取得しています。

 

 

・青枠の施設:臨床計測
・オレンジ枠の施設:計測・解析支援
・カラー背景色の施設:トラベリングサブジェクト計測

 

 

 

参画機関  役割 MRI機器 Protocol  対象群
UTK データ取得, 前処理 Prisma (VE11C) CRHD 思春期コホート,発達障害,統合失調症,気分障害,てんかん
UTI データ取得, データベース Prisma (VE11C) CRHD 発達障害、統合失調症、気分障害
ATR データ取得, データベース, 前処理 Prisma (VE11C) CRHD 健常群のみ
FUM データ取得 Skyra (VE11C) HARP アルツハイマー病、パーキンソン病
TMG HARP構築, データ取得 Trio (VB19A) HARP 思春期コホート
SWA HARP構築, データ取得 Skyra (VE11E) HARP 発達障害
NCNP HARP構築, データ取得, データベース, 前処理 Skyra (VE11E) HARP 統合失調症、気分障害、アルツハイマー病、パーキンソン病
JTD データ取得 Prisma (VE11C) HARP パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺
UOS データ取得 Prisma (VE11C) HARP 慢性疼痛
UHI HARP構築, データ取得 Skyra (VE11C) HARP 気分障害
UNG データ取得 Verio (VB17A) HARP 統合失調症
UKY HARP構築, データ取得 Skyra (VE11C) HARP アルツハイマー病、パーキンソン病
KRC データ取得 Verio (VB17A) HARP 統合失調症、気分障害
BDR HARP構築, 前処理 Prisma (VE11C) HARP  - (解析のみ)

※UNG(名古屋大学)分は革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明(革新脳)プロジェクトにて取得されたデータです